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2019年5月24日 (金)

古典ギリシア語講座 プラトン「クリトン」を読む!

古典ギリシア語講読(土曜日午後2:40〜4:10のクラス)では、6月15日からプラトン「クリトン」を読む予定です。興味のある方は奮ってご参加ください。

 ソクラテスはどんな理由で脱獄を拒否したのか。また、その理由はソクラテスの哲学とどのような関わりがあるのか。これらの問題をテキスト(原典)を丁寧に読みながら、参加者の方々と一緒に考えてみたいと思います。

 ソクラテスが脱獄を拒否した理由が現代の私たちに理解し難いのは、現代人が(あるいは近代人が)人間にとって大切な何かを忘れてしまったからなのかもしれません。

 近代西欧では人間をまず「個人」として捉え、そこから物事を考えていこうという個人主義の思想が生まれました。そこから個人の権利の尊重という思想も生まれ、それは近代人の発見であったとも言えます。しかしその裏で、近代人は、人間を「ポリス的動物」として捉えた古代ギリシア人の人間観を忘れてしまいました。

 私たちは日々母国語でものを考えながら生きていますが、その母国語は自分が個人で作り出したものではなく、母国または祖国が長い歴史の中で作り上げてきたものであり、また、その国語の継承者たちによって共有されているものであって、まさに「ポリス的なもの」です。そして、言語だけではなく、私たちの生活全体が、祖国の歴史とその文化を共有する共同体に支えられて成り立っているものであり、まさに私たち人間は「ポリス的動物」です。そのような人間観を思い出すならば、ポリスを離れてしまっては、もはや本来の人間性が失われてしまい、劣悪な人間になってしまうというソクラテスの思いも少しは理解できるかもしれません。

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